親知らずが痛い!親知らずを抜歯すると腫れる!?
親知らずは、必ず抜かなくてはならない歯ではありません。
ただ、痛みが生じている場合には、ほとんどのケースで抜歯の適応となります。そこで心配になるのが、抜歯後の痛みや腫れですね。
術後の痛みについて
痛みについては、抜歯にかかった時間が関係していると言われます。
短時間で抜ければ痛みは小さく、難症例であれば痛みは大きくなる傾向があるということです。
ただしいずれにおいても、処方する痛み止めを服用していただければ、問題なく日常生活を送っていただけます。
術後の腫れについて
腫れは、特に親知らずが真っすぐに生えており、炎症などが起きていなければ、それほど強くは現れません。反対に、横向きや斜めに埋まっている親知らずや、親知らずのまわりで炎症が起こっている場合には、抜歯後に腫れが強く現れる傾向にあります。
抜歯後の腫れを抑えるためにも、親知らずがある方は、症状のないうちから、できれば20歳前後で一度歯科医院を受診してください。
親知らずが痛むのはなぜか?
親知らずが痛む原因には、いくつかの種類があります。以下で、主なものをご紹介します。 抜歯後の腫れを抑えるためにも、痛む前に歯科医院を受診して、親知らずの状態をチェックしてもらいましょう。
智歯周囲炎による痛み
親知らずの痛みの原因としもっとも多いのが、智歯周囲炎です。智歯とは親知らずのことを指しますから、親知らずのまわりで起こる炎症とういことですね。
親知らずは手前の歯と比べるとずいぶんと磨きにくく、汚れが溜まりがちです。細菌が繁殖して炎症を起こすと、痛みが生じます。
特に親知らずがまっすぐ生えていない方、歯ブラシの届きにくさを感じる方は、智歯周囲炎が起こるのリスクが高いと言えます。
虫歯による痛み
親知らずが虫歯になっている状態です。虫歯がある程度進行すると、他の歯が虫歯となったときと同じように痛みが生じます。親知らずの手前の歯が虫歯になっていて、それを親知らずの痛みと感じることもあります。
親知らずが磨きにくいことが虫歯の発生に少なからず影響したと考えられますので、抜歯を検討します。
口内炎による痛み
親知らずが頬の粘膜を傷つけ、口内炎を起こすと、親知らずが痛むような感覚になることがあります。
親知らずそのものは健康な状態で生えていたとしても、度々口内炎を起こすような場合は、抜歯を検討すべきケースにあたります。
親知らずを抜いた方がよい場合と抜かなくてもよい場合
抜いた方がよい場合
痛み、腫れの原因となっている親知らず
智歯周囲炎や虫歯、親知らずの圧迫などによって痛みや腫れがあるケースです。痛みや腫れを和らげたとしても、再発する可能性が高くなります。
歯並びを乱している・これから乱す可能性が高い親知らず
親知らずが隣の歯を圧迫して歯並びの乱れの原因となっていたり、これから歯並びを乱す可能性が高いケースです。
たびたび粘膜を傷つけている親知らず
親知らずとの接触によってたびたび粘膜が傷つき、口内炎になっているケースです。
中途半端に生え、これから伸びる見込みがない親知らず
中途半端に生えた歯あ汚れが溜まりやすいため、将来的や虫歯や智歯周囲炎のリスクが高くなります。このリスクを回避するための抜歯を検討します。
ホームケアが十分に行き届かない親知らず
親知らずが斜めに生えているなどして、工夫してブラッシングをしてみてもきれいに磨けないことがあります。
そういった場合には、将来的な虫歯・智歯周囲炎のリスクを回避するため、抜歯を検討します。
抜かなくてもよい場合
痛みや腫れ、歯並びの乱れ、口内炎、虫歯・智歯周囲炎といった親知らずを原因としたトラブルが起きておらず、まっすぐに生えている場合には、そのまま経過観察とします。
引き続きホームケアを丁寧に行い、定期的に歯科検診を受けましょう。
当院の親知らず抜歯の特徴
1CTによる精密な検査・正確な診断が可能
歯の根は非常に複雑な形状をしています。また、親知らずの付近には神経や血管が走っています。
CTによって歯の根の形状を事前に把握しておくこと、神経や血管の位置を把握しておくことは、短時間での迅速な抜歯と、安全性の確保につながります。また、抜歯後の痛みや腫れの軽減にもつながります。
2難抜歯にも対応可能
当院では第一土曜日に、口腔外科医による親知らずの抜歯を中心とした口腔外科領域の治療を行なっております。
親知らずが完全に埋まっているような難しい抜歯にも、しっかりと対応させていただきます。
他の歯科医院で対応が難しいと言われたときには、一度当院にご相談ください。
親知らずの抜歯方法
上の歯か下の歯か、まっすぐに生えているかそうでないかで、親知らずの抜き方は少しずつ違います。
真っ直ぐに生えた上の歯の親知らずを抜歯する場合
上顎の親知らずは真っ直ぐ生えることが多く、そうすると抜歯は比較的容易です。
器具で歯を掴み、引っ張って抜きます。早ければ数分で抜歯できます。
真っ直ぐに生えた下の歯の親知らずを抜歯する場合
下顎は、上顎と比べると真っ直ぐに生えることが少なくなります。
真っ直ぐに生えていたとしても、歯茎を切開する必要が生じることがあります。
真横に生えた下の歯(歯茎の中に埋まってる・歯茎から少しだけ歯が出ている)を抜歯する場合
歯茎を切開し、顎の骨を削った上で、歯を小さく割ってから取り出します。
代表的な難抜歯です。切開幅が大きいため、縫合も必要になります。
親知らず抜歯Q&A
親知らずを抜かずにそのままにするとどうなるのでしょうか?
真っ直ぐ生えていなかったり、ホームケアが不十分だと、痛みや腫れの出現、歯並びの乱れ、虫歯や智歯周囲炎などを引き起こすリスクが高くなっていきます。 反対に、真っすぐ生えておりホームケアを十分にできていれば、他の歯と同じように機能させていくことも可能です。 ただ、たとえ症状がなくとも、抜歯するかどうかは、必ず歯科医院で診断を受けて判断するようにしましょう。
親知らず抜歯後のリスクや合併症を教えてください。
痛みや腫れは比較的よくある合併症で、どちらも一時的なものです。痛みについては痛み止めで十分に対処できますが、腫れについてはコントロールが難しく、治まるのを待つことになります。通常、痛みも腫れも1週間以内に治まります。 その他、ごく稀ではありますが、神経を傷つけたことによる感覚麻痺、上顎の親知らずを抜いたことによる上顎洞との貫通などを起こすことがあります。当院では、CT検査で神経や顎の骨の位置関係を把握しておくことで、これらのリスクを限りなくゼロに近づけられるよう努めています。また、事前にしっかりと説明をさせていただき、ご同意を得た上で抜歯へと進みます。 抜歯後に予期せぬ症状が現れたとき、不安になったときにはすぐに当院にご連絡ください。しっかりとサポートさせていただきます。
親知らず抜歯後の食事はどのようなものを食べたらいいのでしょうか?
おかゆ、雑炊、うどん、クリームシチュー、ビーフシチュー、煮物、玉子スープ、ヨーグルト、ゼリーなどがおすすめです。 抜歯した部位の治癒の具合にもよりますが、硬い物、刺激物は2週間ほど避けてください。出血したり、炎症が悪化したりして、治癒が遅れることがあります。